多彩にして繊細。
円熟の境地を迎え 12年振り 待望のリサイタル
ラルス・フォークト ピアノ・リサイタル

2015年6月29日(月) 開演:19時

  • 主催公演
  • クラシック
  • 紀尾井ホール

主催:日本製鉄文化財団

圧倒的なスケールと詩情に溢れた鮮やかな彫琢
 ここ近年、日本ではN響などオーケストラとの共演やクリスティアン・テツラフなどとの室内楽などが多かったラルス・フォークトが、なんとほぼ12年振りにリサイタルのステージに立つ。前回は2003年9月、シューベルトやブラームス、そしてムソルグスキー「展覧会の絵」だった。その後フォークトは2006年2月、テツラフとのデュオ・コンサートの中でヤナーチェク「霧の中で」を独奏している。それはフォークトらしい独特の抒情とデリケートなニュアンスを紡いで鮮烈な音楽的感興を織り上げた。
 1998年からフォークとが毎年主宰しているシュパヌンゲン音楽祭は、「発電所の音楽祭」という愛称で広く親しまれており、そこでもフォークトは多彩で繊細、そして人間の感情を露わにするかの濃密な演奏を繰り広げている。
 今回採り上げられたのは、時代が古典派からロマン派に移ろっていく時代に創られた、大作曲家2人が最晩年に遺した傑作ソナタ。それも同じハ短調という調性を持つ人類の遺産である。その2曲で機能調性を逸脱したシェーンベルクを挿むという極めて興味深いプログラミングだ。
 40代半ば、いよいよ円熟の境地を迎えたフォークトの、垂涎のピアニズムを鶴首して待ちたい。
真嶋雄大

出演者
ラルス・フォークト(ピアノ)
曲目
  • シューベルト:ピアノ・ソナタ第19番 ハ短調 D958 NAXOS
  • シェーンベルク:6つのピアノ小品 Op.19 NAXOS
  • ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第32番 ハ短調 Op.111 NAXOS
  • 【備考】表示のある曲は試聴できます。詳細はこちら。
チケット料金(税込)
(単券)
S席:7.000円
A席:4,500円【残席僅少】
学生A席:2,000円【残席僅少】
【紀尾井ホール開館20周年 友の会会員15%割引対象公演】

≪6月12日(金)ジャンルカ・カシオーリ(ピアノ)公演との2公演セット券≫
一般発売日(セット券)2015年2月28日(土)
友の会優先発売日(セット券) 2015年2月25日(水)
S席:12,000円 A席:8,000円
 

※乳幼児等未就学のお客様のご同伴・ご入場はご遠慮ください。

※曲目は予告なく変更となる場合があります。予めご了承ください。

チケットお取扱い
紀尾井ホールチケットセンター 03-3237-0061
(10時~18時/日・祝休)
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お問合せ

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出演者プロフィール
  • ラルス・フォークト(ピアノ)

    ラルス・フォークトは、この世代を率いるピアニストとして着実にその地位を確立している。
    1970年ドイツのデューレン生まれ。1990年のリーズ国際コンクールで第2位となって注目を集めて以来、25年以上さまざまなキャリアを積んでいる。モーツァルト、ベートーヴェン、シューマン、ブラームスなどの古典から、グリーグ、チャイコフスキー、ラフマニノフなどのロマン派、さらにまばゆいばかりのルトスワフスキの協奏曲まで、多彩なレパートリーを誇っている。またオーケストラの指揮や弾き振りをする機会も増えている。2015/16年シーズンからはノーザン・シンフォニアの音楽監督に就任することになっており、キャリアのさらなる発展が期待される。

    フォークトは、サー・サイモン・ラトル、マリス・ヤンソンス、クラウディオ・アバド、アンドリス・ネルソンスら名だたる指揮者たちの指揮のもと、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ベルリン・フィル、ウィーン・フィル、ロンドン・フィル、ロンドン響、ニューヨーク・フィル、ボストン響、N響、パリ管など、世界の一流オーケストラとの共演も多い。特にベルリン・フィルとは、2003/04年シーズンに彼がオーケストラ史上初めての“ピアニスト・イン・レジデンス”になって以来良好な関係を築いており、定期的にコラボレーションを行っている。

     2014/15年シーズンのハイライトとしては、ノーザン・シンフォニアのシーズン・オープニングを飾る公演と、2015年4月に予定されている公演が挙げられる。さらにヨーロッパでは、フランス放送フィル、ウィーン交響楽団、チェコ・フィル、ザルツブルク・モーツァルテウム管と協奏曲を演奏するほか、ヤニック・ネゼ=セガン指揮ロンドン・フィルとはロンドン公演とドイツ国内ツアーを行う。アメリカでは、アンドリス・ネルソンスの指揮でフィラデルフィア管と共演。南米でも精力的にコンサートを行う予定である。フォークトはまた、ドイツ・カンマー・フィルのブラームス・チクルスの重要なソリストであり、パーヴォ・ヤルヴィの指揮でニューヨークのモーストリー・モーツァルト・フェスティバル、タングルウッド音楽祭等でブラームスのピアノ協奏曲を披露した。シーズンの後半には再び来日し、ダニエル・ハーディング指揮新日本フィル団と共演する予定である。

     2013/14年シーズンには、チューリッヒ室内管、アルテ・デル・モンド、ケルン室内管の指揮をし、ソリストとしては、マリス・ヤンソンス指揮ロイヤル・コンセルトヘボウ管とアムステルダム、トゥガン・ソヒエフ指揮ベルリン・ドイツ交響楽団、クリスティアン・ティーレマン指揮ドレスデン・シュターツカペレと共演した。また、室内楽のプロジェクトも多く、エディンバラ音楽祭でイアン・ボストリッジと、クリスティアン・テツラフとは北米6都市で、またクリスティアン&ターニャ・テツラフとのトリオではパリ、ベルリン、ザルツブルク、チューリッヒで公演を行った。
     室内楽奏者としても注目を集めるフォークトは、1998年6月にケルン近郊のハイムバッハで室内楽音楽祭“シュパヌンゲン音楽祭”を創設し、そのライブ録音のCDがEMIより10枚もリリースされるなど大成功を収めている。この音楽祭には、クリスティアン&ターニャ・テツラフ、トーマス・クヴァストホフら音楽家をはじめ、俳優のクラウス・マリア・ブランダウアーやコメディアンのコンラート・バイキルヒャーも度々登場し、フォークトとコラボレーションしている。

     彼は2005年に“ラプソディー・イン・スクール”という主要な教育プログラムを設立。音楽仲間とともにドイツとオーストリアの学校を訪れ、子どもたちが世界で活躍する一流アーティストと触れ合う機会を提供している。また、2013年よりハノーファー音楽大学ピアノ科の教授として後進の指導にあたっている。

     EMIのレコーディング・アーティストであるフォークトは、クラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルとのヒンデミットの室内音楽集(第2集)や、フォークトのことを「幸運にも出会うことができた世代を問わずもっとも類まれな音楽家のひとり」と称するサー・サイモン・ラトル指揮バーミンガム市響とのシューマン、グリーグ、ベートーヴェンの協奏曲第1番と第2番など、同レーベルより15枚のCDをリリースしている。また最近では、CA-vi musicレーベルにソロ録音したシューベルト、エームスからザルツブルク・モーツァルテウム管とのモーツァルトの協奏曲集、ベルリン・クラシックスからソロでリストとシューマン、オンディーヌからクリスティアン・テツラフとの共演でモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ集などをリリースしている。

    ラルス・フォークト(ピアノ)

    ラルス・フォークト(ピアノ)

    ©Neda Navaee

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